べっ甲とは
べっ甲って亀ですか
べっ甲というのは、タイマイという海亀の甲羅を指します。タイマイは、主にカリブ海や東南アジアに生息しています。
べっ甲には種類があるのですか
タイマイの甲羅は、本甲(ほんこう)、腹甲(はらこう)、バサツメ、本ツメと呼ばれる部位で区別されます。
本甲は背中の甲羅で常に太陽が当たっているため色が黒くなり、とても硬くなっています。
それに対して腹甲は、下の甲羅なので、白く柔らかい甲羅になります。
バサツメは、甲羅の渕で厚く頑丈な甲羅です。表面は太陽が当たるので黒っぽいですが、裏は白っぽくなります。
本ツメは、しっぽの周り4枚の渕の甲羅で、1匹のタイマイから4枚しかとれなく、厚みもあるために一番高価で取引されます。
本甲<バサツメ≒腹甲<本ツメの順に高価になります。
また、本甲でも綺麗な部位(黄色が多い部位)は黒っぽい部位より高価になります。
本甲と呼ばれる背中の甲羅とバサツメ、本ツメと呼ばれる淵の甲羅があります。
その中でも本ツメは尻尾の周り4枚の甲羅を指し、とても分厚く4枚しか取れないことから一番高価で取引されています。
お腹の甲羅は腹甲で太陽が当たらないので白くとても綺麗です。
本ツメ、バサツメも裏は白く厚みもあるので高級なアクセサリーなどの原料に使われます。
写真のように同じ本甲でも黄色い色が多い部分が高価になります。
べっ甲は装飾品ですので、見た目の美しさで価格は変わります。
タイマイはワシントン条約で輸入禁止ですよね
はい、その通りです。
ワシントン条約で輸入禁止になる前の原料を端まで無駄なく使っています。それまでは、端の方は「端材」として捨てていましたが、現在は端材も使っています。
また、現在は昔のようにべっ甲細工が売れなくなりましたので、廃業する業者やその業者から発注をうけていた職人も「連鎖廃業」しています。
ただ、廃業した業者や職人は在庫の原料を持て余して、組合の市場に出したり、職人間で取り引きされています。
さらに沖縄ではタイマイを養殖しています。
べっ甲ピックはいつまで売ってますか
原料がある次第ですが、いつまでなのかはわかりません。
先に原料は取引されているといいましたが、一番多く取引されている原料はアクセサリーなどを作る厚い原料です。
ピックを作る原料は「薄甲」(うすこう)と言って1.5㎜~2.0㎜という薄い原料を使います。
もちろん、厚い原料でも作れますが、厚い原料は当然薄い原料より高いため、それで作ると値段が上がってしまいます。
なので、薄甲が手に入らなくなれば、ピックも作れなくなると思います。